前編に引き続き、チェーンメイル用丸カンの作り方について。ニッパーを使って作る方法と、糸鋸を使用する方法についての説明。
ニッパー&糸鋸での丸カン製作で、共通する部分
心棒にワイヤーをぐるぐる巻き付けコイル状にし、必要であれば両端の余分な箇所をニッパーでカットした状態からスタート。
なお、専用の丸カンメーカーもいくつか市販されており(リンク先:ilovesmart)、それを利用すると若干ラクに手巻きでコイル状に出来る。筆者も、内径によってはこの丸カンメーカーを使用している。
ただし、動画の通りにワイヤーをセットする場合は、穴の大きさの都合上、セットできるワイヤー直径が最大16ゲージぐらいになる。
これぐらいの太さ(12G)のワイヤーになると、専用のワイヤー穴にはセットできない。
ニッパーで丸カンを切る方法
ニッパーを利き手に持ち、パチパチとカットしていく。
一回カットするだけでは、ワイヤーの切断部分の片方が尖った状態になってしまい、丸カンがキレイに閉じないので、1つの丸カンにつき2回ずつカットしていくことになる。
これらの手順がとても見やすくまとめられている動画を見つけたので紹介する。
動画の8:45あたり〜がニッパーで切る場合の解説だ。
なお、動画の後半ではワイヤーを糸鋸で切断する方法も解説しているものの、素手でコイルを持って切断するという、大変危険(!)な方法でカットしているので、そちらは参考にしない方が良い。
糸鋸で丸カンを切る方法
糸鋸で丸カンをカットする場合は、コイルを固定しておくための何らかの器具が必要になる。
このような、丸カン製作専用のプライヤーも市販されている。
Beadsmith Jump Ring Coil Cutting Pliers(リンク切れのため、リンク削除)
ただし、特に太いワイヤーを切断する場合は結構な力が要るので、個人的には汎用性の高い、普通のバイスを使用する方が作業しやすいように思う。
例:SSPOWER(エスエスパワー) 吸盤式フリーアングルバイス FAV-70S
この商品は、挟み口の材質が若干柔らかいので、ワイヤーの表面をキズつけにくい。
ただし挟み口の長さが7cmほどあり、コイル状になった丸カンを挟むにはやや大きめなので、小さな糸鋸の場合は押し引きがしづらいと思う。
作業の際はマスクを着用し、舞い上がる金属の粉塵を吸い込まないようにする必要がある。
吸ったから直ちにどうこうというものではないとは思うけれども、金属アレルギーの予防などを考えると、マスクはした方がいい。
カット時にノコ刃が切れ、運が悪ければ顔まで飛んでくる可能性もあるので、ゴーグルもあればした方が良い。
筆者は12Gのワイヤーの切断途中で、ノコ刃が負けて折れてしまった。
ここまで大掛かりでなくても良いのだけれど、塗装用に使用しているものがたまたま手元にあったので。
準備が出来たら、さっそくバイスにワイヤーコイルをセットし、ノコ刃をあてて切断していく。
締め付けが弱いと作業中にコイルが外れてしまうし、強く締め上げすぎるとコイルが歪んでしまう。ほどほどが大事。
※写真では挟み口いっぱいにコイルをセットしているが、ノコ刃の長さが短めだったこともあってか作業しづらかったので、3cmぐらいまでの長さでセットすることをおすすめしたい。
今回は自在型糸鋸 (刃:5種付) (BJK-01)で切ってみた。価格は5種の刃がついて千円ほどで、とにかく安い。
押し引きできる距離が長い方がラクなのるので、もう少し大きなものを購入しても良かったかもしれない。
金属用の3種の刃をそれぞれ試してみたが、作業にあたってそこまで大きな違いは感じなかった。
慣れるまでは、コイルを押し引きする際に刃がコイルの中心からずれて、ワイヤーに余計なキズをつけてしまうことがあった。
きちんとコイルを見て、丁寧に作業すれば大丈夫。
刃が薄く、ワイヤーの切断時に生じる隙間も狭く、キレイに仕上がった。
しかしながら、ニッパーで切断するよりも遥かに多くの時間がかかる。
18Gぐらいまでのワイヤーであればそこそこラクに糸鋸で切っていけるが、それでもニッパーで切断するほうが早く切れると思う。
14Gであれば、実用的な早さではないけれど、どうにか切れる。
12G以上はかなりの時間をかけないと切れない。少なくとも今回使用したノコ刃では、かなり無理がある。
これ以上の太さであれば、太いワイヤーも切れるニッパーを使って丸カン製作した方が良いかもしれない。もしくは電動工具に乗り換えるか…。
汗をかき、やっとのことでカット成功した丸カンたち…。
カット済みの丸カンは、材質・ゲージ・内径を記した容器に保管すると良い。
数百という単位で使用する時はジップロック等の保管袋、あまった丸カンは小型ケースへ。
ケースはこちらの「アルミケース」がかなり優秀。
![]() アクセサリーケース ジュエリーケース アルミケースΦ33 12個入り【2P03Dec16】 |
プラスチック素材があまり好きではないので、アルミ+ガラストップのこちらのケースが好きだというのは大きいけれど、細々したものをまとめて保管するにはうってつけのケースだ。
複数購入したが、ケース自身に細かなキズがついていたり、歪みがあるので、そのような点が気にならない方にはかなりオススメだ(筆者は全く気にならない)。
余談:
やっぱり機械で切るのに挑戦したいなあ…電鋸は敷居がかなり高いけれど、リューターであればどうにか…!予算を作って試したい。
憧れの(?)ドレメル…!
※このような固定&安全装置のセット(リンク先:ilovesmart)も市販されているらしい。
魅惑のDremel(ドレメル) ハイスピードロータリーツール 4000-3/36
追記
ドレメルとKoil Kutterを導入した、電動での丸カン制作記事はこちらです。