Illustratorで作ったデータをpomrieでスタンプとして製版する方法

2017年05月21日

カシオのスタンプメーカー「ポムリエ」。イラストレーターで作ったデータをできるだけ劣化させずに製版したい!という挑戦の記録です。フリーランスの小さなビジネス用途にも使えて、意外と便利ですよ。

pomrie(ポムリエ)とは

2013年に発売された、カシオのスタンプメーカー「ポムリエ」。
パソコンやスマホとあわせて使えうことで、浸透印(いわゆるシャチ○タ)を自宅で簡単に作成できます。
ホビー用に作られた商品ですが、住所スタンプや認め印など、ビジネス用途でも結構使えます。

ゴム印と比べれば強度は劣りますし、インクを浸透させる作業も多少手間がかかりますので、毎日、何十回も押し続けるようなら、きちんとしたものをオーダーした方が良いです。
ただ、短期的に使用したいものや、それほど頻度が多くない用途であれば、自宅で気軽に作れるポムリエはうってつけのアイテムです。
特にフリーランスで状況が変わりがちな場合や(本当にこれで良いのだろうか、というテストランを行いたい場合)、ある取引先専用のフォーマットをスタンプでつくってしまいたい場合など、「あまり外にだしたくないな」という版面のスタンプも手軽につくれるのが良いです。

Pomrieの価格

発売から4年近く経っており、本体の価格は発売時の価格よりもだいぶ安くなっています(2017/05/21現在のAmazon価格)


カシオ スタンプメーカー ポムリエ USB対応 STC-U10(Amazon)

USB接続のSTC-U10が、本体単体で3,536円


カシオ ラベルライター スタンプメーカー ポムリエ Wi-Fi/USB対応特別セット STC-W10-SET(Amazon)

USB/Wi-Fi両対応のSTC-W10が本体単体で4,788円

…というよりも、そろそろ生産終了で処分特価なのではないかな、と個人的に思っています。
明確に「この大きさのスタンプを作りたい」と決まっていない場合は、スタンプ数種とインクもセットになった商品を買うと、色々試せてお得です。


カシオ スタンプメーカー ポムリエ Wi-Fi/USB対応特別セット STC-W10-SET(楽天)

スマホと接続する場合はWi-Fi対応のSTC-W10が必要ですが、パソコンで使用する場合は、USBモデルで充分でしょう。
日常的にパソコンに繋げながら使用するものでもありませんし、製版も数十秒で終わりますので、使うときだけつなげれば充分だと思います。
筆者は単純に本体の色合いの好みで、Wi-Fiモデルを選びましたが…。

pomrieスタンプの作成に必要なソフトウエア

pomrie用印刷ソフトウェアダウンロード
パソコンからpomrieに印刷する場合に必要なソフトウエア。

Macで使用する場合、フル機能を使えるのはYosemiteまでになります。
El Capitan以降の場合はモノクロ画像のインポート不可、画像サンプルスクロール中に残像が残る場合がある等、一部不具合があります。 との事です。

ソフトの起動や板面の印刷は筆者のSierraでも可能ですが、やはりモノクロ画像を版データとして直接インポートはできず、写真画像取り込みなどと同じような手順で、pomrieソフトウエア内で「モノクロデータ化」する形になります。

STC-W10 / STC-U10 ファームウェア・バージョンアップ・ソフトウェア
pomrie本体内のソフトをアップデートするソフトです。
軽微な不具合が修正されているようですので、可能であれば作業前にアップデートしておいた方が良いでしょう。

Pomrieで扱えるファイル形式

「モノクロ画像のインポート」機能を使用する場合

・モノクロ2値
・ビットマップ(.bmp)形式
・印面のサイズに合った大きさ
の画像を用意する必要があります。
Pomrieで扱える印面サイズと画像の大きさ
(Pomrieソフトウエアマニュアル46Pより引用)

これらの条件を全て満たしていないと、 「モノクロ画像のインポート」機能ではエラーになります。

「画像からつくる」機能を使用する場合

・JPG、JPEG、BMP、PNG

「画像からつくる」は、写真や手書きイラスト画像などに独自のエフェクトを加えて製版データにできる機能です。
こちらの方が対応する画像形式も多く、どのような大きさの画像もそのまま元データとしてレウアウトすることができます。

「モノクロ画像のインポート」と 「画像からつくる」のは、どちらが良い?

完全データをイラレで作成するのが前提の場合は、「モノクロ画像のインポート」の方が使いやすいです。
筆者にはこの機能の方が扱いやすいので、サブマシンにインストールしているYosemiteでpomrie製版しています。
El Capitan以降でセキュリティ周りの仕様が大きく変わったため、他にもYosemiteでしか動かない周辺機器があるもので…。

「画像からつくる」機能を使用すると、たとえ元データを白黒2値で作っていたとしても、ディザやガンマ補正を経由する形になってしまい、イラレで製作したそのままを製版データにできません。
余計なディザや線の削れが発生してしまいます。

逆に、手描きイラストのスキャンをスタンプにしたい場合など、ラスタデータの状態でしか画像を持っていない場合には、「画像からつくる」機能を使用することで、簡単に白黒2値データに変換できます。

Illustrator上でpomrie用データを作る

キャンバスサイズを印面データに合わせる

まず、キャンバスサイズを印面のデータに合わせます。
今回は30mm x 30mmのスタンプを作成しますので、キャンバスサイズも同様にしました。

データを作成する

デザインデータをを作成します。
30mm x 30mmのキャンバスギリギリまでの大きさにデザインを配置できますが、今回はそれよりも印面を一回り小さなサイズで作成したかったので、デザイン周りに余白を設けました。

データの背景にスタンプサイズと同じ大きさの白いマットを配置する

30mm x 30mmの大きさで、白い四角形を作成し、デザインデータの最背面に配置します。

BMP形式で書き出す

「ファイル」→「書き出し」→「書き出し形式」から、BMP形式にて書き出します。

「書き出し」ボタンを押すと、ラスタライズオプション画面が開きます。

カラーモードはモノクロ2階調を選択します。
アンチエイリアスは「アートに最適」で良い感じに書き出せましたが、元データによって変わってくるかもしれません。
解像度は「その他」を選びました。

pomrieの仕様に従って、今回は仕上がりを240x240pxにしたいので、202ppiで書き出しました。

書き出す際にキャンバスサイズは無視され、余白は自動的にカットされてしまうため、先ほどの「背景と同じ大きさの白いマット」を配置する必要があります。

書き出したBMPファイルを開いて確認します。
このデータがそのままpomrieで製版されます。

データをpomrieで読み込む

pomrieソフトウエアを起動し、「ファイル」→「モノクロ画像のインポート」から、目的のサイズを選びます。
ダイアログから、先ほど書き出したBMP画像を指定します。

製版する

あとは、「保存」→「製版する」ボタンを押して、pomrie本体にシートを差し込めば数秒で完成です!
(個人情報につき、デザインをぼかしています)

完成

好きな色のインクを乗せて、浸透するまで数分間待ち、試し押しをします。
ビジネス用途でよく使う「赤」インクですが、なぜかこの色だけ浸透に時間がかかります。

製版されたデザイン部分(イラレで黒線の部分)以外からはインクを吸収しないので、余計な部分にはインクを乗せないようにした方がキレイに仕上がります。

pomrieは気軽で手頃なスタンプメーカー

待ち時間なく、気軽にスタンプを作れるのが良いところ。
手帳用スタンプなど、オーダーするにはちょっとプライベートな内容すぎるスタンプも作れますね。
上手にインクを浸透させれば、一つのスタンプで複数色のインクを使うことも可能です。

また、スタンプキット等の消耗品も、まだまだ生産されているようで、通販で簡単に手に入ります。

シャチハタをオーダーすれば、1個あたり数千円にはなりますし、出来上がりまで待たなければなりませんが、スタンプキットなら数百円で済みます。

持ち手とスタンプシートがセットになった「スタンプキット」の他、交換用としてシートホルダー単体でも販売されています。

例えば今回製作した30x30mmのスタンプは、「スタンプキット」ならAmazon価格で791円。


カシオ ラベルライター スタンプメーカー ポムリエ スタンプキット 30×30mm STK-3030(Amazon)

持ち手をすでに持っていて、「交換用シートホルダー」を購入して、スタンプシート部分をだけを新たに製版して付け替える場合は2個分で785円(1個あたり392.5円)。




カシオ計算機 ラベルライター スタンプメーカー ポムリエ スタンプキット交換用×2 30×30mm STH-3030(Amazon)

オーダーするのに比べれば格安ですよね。

1個あたり400円弱なら、使ってみて「もっと小さくした方がよかったかな」「あの文字を入れた方がよかったな」という場合も気軽に再挑戦できます。

さらに、この「交換用シートホルダー」はちゃんとキャップも付属しているので、使わない場合も持ち手から外した状態でそのまま保管でき、引き出しの中で場所をとりません。
器用な方なら、持ち手なしで「交換用シートホルダー」を直接手に持ってスタンプできると思います。


とてもコンパクトに収納できます。

弱点

専用インクしか使えず、消耗品の生産が終わったらそれで終了です。果たして、あと何年生産してくれるか…。
対応ソフトのアップデートも最低限なので、今後登場するOSに対応するかどうかもわかりません。

また、1回インクを補充した後に押せる回数は50回程度で、その度にインクの補充が必要です。
浸透型なので、途中でインク色を気軽に変えることも難しいです。

自分の好きな色のインクを使いたい場合や、ハードな使い方をする場合は、きちんとゴム印をオーダーした方がよいと思います。

pomrie専用消耗品について

なぜかメーカーサイトの型番が画像に埋め込まれていてコピペできず、いつもはがゆい気持ちになるので、全部貼り付けておきます…!


カシオ ラベルライター スタンプメーカー ポムリエ スタンプキット 30×30mm STK-3030(Amazon)

持ち手とシート1枚のセット。


カシオ計算機 ラベルライター スタンプメーカー ポムリエ スタンプキット交換用×2 15×15mm STH-1515(Amazon)

シート2枚のセット。


カシオ スタンプメーカー ポムリエ インク STQ-5PGN グリーン(Amazon)

紙に押せるスタンプインク。
ブラック、ブラウン、ブルー、グリーン、パープル、ピンク、レッド、イエロー、アッシュピンク、アッシュブルーの10色。


カシオ スタンプメーカー ポムリエ 硬質面インク STQ-5HBK ブラック(Amazon)

ガラスやプラスチックに押せるタイプのインク…だそうですが、まだ使ったことがありません。


カシオ スタンプメーカー ポムリエ 布転写シート STT-N5A 5枚入(Amazon)

これは需要あるんでしょうか?わざわざスタンプを作って転写シートに押して、アイロンで転写するぐらいなら、インクジェットプリンタなりの布転写シートの方が気軽に使えそう。
インクだけが布に残るんじゃなくて、シートごとテカっと残るタイプなんですよね。
単色なら布対応のカッティングシートを切ってアイロンがけしたほうがキレイに仕上がりそうです。